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修士・博士論文の書き方補足

構成について

要旨の次ぎに略語表をつける。

本文について

  1. 同程度」や「同様」などを使う際には、何と何を比較しているのかを明確にしなければいけない。また「同程度」や「同様」と比較することに意味があるのかも考えてから使うこと。
  2. 「矛盾しない」との後ろ向きの表現はなるべく使わないようにする。
  3. 大切な情報や positive data を先にできるのなら、なるべくそうする。実際に実験を行った順番にしない方が良い事もある。このような構成について打ち合わせが必要。読者の興味を失ったらおしまい。
  4. 考察について。自分の研究に直結している論文をどれだけ理解しているか、勉強しているかが如実にわかる。M論の締めきり前に慌てても、もう遅い。
  5. 実験メモになっていないか?日記になっていないか?事実の羅列ではなく、言えることを実験結果の後に書いているか?「XXXXの結果を得たので、XXXXが示唆された/示された/明らかになった/ほぼ否定できた。」など。ただし、「結果」の章では推論はなるべく入れないようにする。
  6. 本文そのものは他研究室のメンバーでも理解できるように、わかりやすく明瞭に書いているか?ハエ遺伝学を知らない人向けの説明になっているか?例えば、用いた GAL4 系統名をそのまま「結果」の本文中に記載せずにすむのなら、そのような工夫をする。

図の作成

  1. どの生データ(X線フィルムやコンフォーカルイメージ)から持って来たものかすぐ辿れること。
  2. 作業途中の節目(端切りする前など)で保存し、後で戻れば修正が容易になるようにしておく。
  3. フォトショップの場合、文字や記号を写真のレイヤーに重ねない。
  4. 明るさ・コントラストを変えるのは、全てのパネルを組み上げた後、出力直前にのみ行う。もちろん、明るさ・コントラストを変えれば他のパネルと調和が取れることを、組み上げる前に確認する必要がある。
  5. 顕微鏡写真にせよゲルのデータにせよ、出力版の画質には特別に注意を払うこと。元データを使う限り、ベストの明るさ・コントラストを追究すること。「この程度でも自分の言いたいことは人にわかるだろう。」と安易に考えるな。
  6. 多重染色については、バリアフリーのウェブページを熟読のこと。原則として、シングルチャネルのデータを白黒で示す事。参考:Jfly>トピックス>色盲の人にもわかるバリアフリープレゼンテーション

教官や同僚の修正を受ける場合

推敲が不十分なままにとにかく書いただけの原稿を渡して修正を頼むな。せめて、「ここはまだ推敲できていないので、修正してもらう必要はない。」ぐらい言えよな。

原稿を渡して修正を依頼しておきながら、相手がまだ修正中なのに自分で大幅な改訂をするな。